感想
映画『何者』をAmazonプライムで鑑賞。
前回の『桐島、部活やめるってよ』に引き続き朝井リョウ作品。
なぜ、観ようと思ったのか?
こちらの本がキッカケ。
『「おりる」思想~無駄にしんどい世の中だから~(飯田朔著、集英社新書)』
著者が朝井リョウ作品を通じて、「おりる」思想を語っているので。朝井リョウ作品が気になって映画を観始めた。
『何者』を観る前は、『桐島、部活やめるってよ』を鑑賞。2作品を観てみると、テーマのような共通性をなんとなく垣間見ることができる。
本作品は、「就活」を通じて、社会に生きる人間の「リアル」を表現しているように思う。そのリアルとは、わかりやすくいえば、「心に誰もが隠しているエグイ部分」である。生来、人間が持っている本能のようなものか。
私は、本業は投資家であり一応会社経営者でもある。その際、最も重要な教養の一つは、「人の心を理解すること」であると思っている。
なぜか?
というと、マーケティングや営業でも「顧客心理」を深く理解せねばならないし、マネジメントでも「従業員心理」を深く理解しなければいけないからである。
また、当然ながら、「自分」を理解することは最も大事だ。自己啓発の基本である。
当たり前だが全てのビジネスは「人」を介さなければ成り立たない。だからこそ、人の心理を理解する必要性がある。
そして、映画『何者』では、人が普段、「表」に出したくないエグイ部分をアリアリと描写していてとても興味深い。
本作品は扱っている主題は「就活」なのだが、決して、就活生や若者たちだけに刺さるものではない。私のような中年にもしっかり刺さる内容である。
就活って面白くて、「社会の縮図」のようなものだったりする。そこで起きている基本心理は、その後の社会(就職後)でもほとんど変わらない。同じようなことが起きている。仏教でいう輪廻。繰り返している。
では、その輪廻から解脱するにはどうしたらいいか?というと、まずは「その輪廻に自分が動かされ続けている」ということに気づかねばならない。気づけば「対応」が可能となる。
その「気づき」を促してくれる作品、というのが私の『何様』の感想。
相変わらず、朝井リョウさんの作品は、観た後に「悶々」とする。モヤモヤ感が拭い去れない。でも、それがいい。普段考えない視点から人生を見直すキッカケになる。
それにしても烏丸(からすま)、桐島(きりしま)ってなんだか似てるなあ。「カリスマ」から取ったのかもしれない。
『何者』予告編
鑑賞にはAmazonプライムがおススメ
映画『何者』は今ならAmazonプライム会員は無料で視聴できるようです(2024年2月現在)。
『何者』原作はこちら
『何者(朝井リョウ著、新潮文庫)』
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